思い出のワッフル・メーカー
月曜日コラムは
【子育てから観た風景】をお届け。
今はもう大人になってしまった子どもたちと過ごした暮らしの風景から感じたことを、また手繰り寄せて綴っています。
今を幸せに生きるためのひとしずくのエッセンスです。

暮らしにある道具って、自分や家族とともに生きてきた歴史と思い出を纏いながら、ひっそりと息づいていますね。
ふとした折にその事実に触れたとき。なんだか気持ちがほっこりします。
そしてそれに関する残された写真や文章を見つけたとき、
お宝を発見したようなワクワクや、遠い思い出を手繰り寄せた安心感や懐かしさにとっても癒されます。
一緒に歳を重ねて今もキッチンにあるワッフルメーカー。
度重なる引越しで断捨離しなくて良かった。多分これからも私と寄り添ってくれるあったかい相棒なのだろうなぁと思っています。
それにしても、食べものの思い出って、とても印象深く人の心に刻まれているものですね。
今回の昔コラムは2013年のものです。
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10年ぶりのベルギー・ワッフル
久しぶりにベルギーワッフルを作りました。
休日のブランチに。
キッチンの戸棚にしまったままのワッフル・メーカー、
十数年ぶりにお目見えです。

確か娘っこが赤ちゃんの頃に買ったもの。
幼いころに作ったのを覚えていたようで、
うちで久しぶりにワッフル食べたいなぁ~の一言で、
その存在が再び思い出され、日の目を見ることができたのでした(泣)
ヨカッタ、ヨカッタ♪
ちいさなキッチン道具だけれど、
こうして家族の営みの中でまた活かされてみると、
物といえども、ともに時間をすごすことは、
自分たちの周りに集まってくれている仲間として認めてあげたいなぁ~
って気分でいっぱいです。
幼かった娘っこも、
お菓子作りの好きな高校生。
母とキッチンで肩を並べてワッフル生地を作る光景を、
このワッフル・メーカーはどんな気持ちで眺めてくれているだろうね。

ピンと泡立てた卵白を混ぜ合わせた生地のワッフル。
焼き上がりの表面は、さっくりと。
口に入れれば、ふわっと軽くて、幸せな卵の風味に癒されます。
メープルシロップをかけて。
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先日は社会人になった娘が数日帰省し、また一人暮らしの家へ戻っていきました。
ちょっぴり古ぼけたワッフルメーカーをまた出して、今度は自分のために焼いてあげようと思う母なのでした。