古道具の足踏みミシンが、うちの家具になった日。
48年間前に夫婦二人で開店して以来、ずっとオシドリでやってきた実家の店舗が
とうとうピリオドを打ちました。

業者さんによる数日間の解体で、ぽっかりできた空間で掃除機をかける、
老夫婦。
この日で断捨離が終了しました。
これまでの経緯は、こちらから
↓
私が小学生の頃に開業し、高校生まで店舗の2階に家族4人で暮らしていました。
使われなくなった高度経済成長時代の暮らしの道具たちを
掃除に行くたびに、いくつかの小物はオブジェとして持ち帰り済みでしたが、
大物が1つ最後に残っていたので、この度それを持ち帰ってきました。

足踏み式ミシンです!
母が結婚するときに
郷里で購入して持ってきたものだそうで、かれこれ60年前のもののようです。
もう何十年も使われておらず、革のベルトも腐食して切れてしまっていましたが、
台として再利用したいとずっと思っていました。
中のミシンは頑丈で重く、全体の重量もかなりあります。
引き出しの中身を出して、埃まみれのボディの雑巾がけです。
中の引き出しには錆びたボビンケースや埃まみれの糸、試し縫いした布。
そしてこんなものや、

別の模様編み機のチラシやら。この編み機もうちにありましたっけ。


チラシの裏には、購入したのであろうお店の名前と住所がスタンプされていました。
54歳で亡くなった義母と私の母は同い歳。
そして同じ県内の近いところで生まれ育ち、編み物が得意でした。
これを購入した頃、
若き義母が近くで過ごしていたのであろう情景を思い巡らせると、
時空を超えて不思議な感覚になります。

そして今、こうしてうちにやって来た、
ちょうどTV台にぴったりの足踏みミシン。
TV大好きなottoのために、義母の魂も一緒にやって来たような感覚になった、
その日は義母の命日。
そこに存在するだけで、泣けてきたのは、そういうことだったのかな・・
人の縁、使っていた「モノ」の発しているエネルギーを感じた日。
古道具が、
「今」の暮らしに寄り添ってくれている、家具として生まれ変わった瞬間。